自動車部品製造と賀陽技研のあゆみ | 株式会社 賀陽技研

自動車部品製造と賀陽技研のあゆみ

自動車メーカー・プレス加工業界の課題

世界的な流れとして、自動車業界は今後、メーカーが単体で競い合ってきたものから系列形成が進み、部品なども共通化されていくと想定されます。

共通部品になるとそれだけ部品点数が減る一方、数量が増えてくるので、その車の車種の仕事を取らないと生き残っていけません。しかし、私たちのような小規模な企業だと、その車種の一部の仕事をするだけで数量の多さに会社がパンク状態になってしまうことも考えられます。

また、運良くその車種の仕事が取れて部品を受注できたとしても、マイナーチェンジやモデルチェンジした時に継続車種の受注が取れなければ、今まで作っていた部品が急激に減産になるので、将来的に会社の体力が落ちてしまう危険性を孕んでくるのではないかと思います。

多様性によるリスク分散

とは言え、自動車部品はすそ野が広いので、そちらに偏ってくるのが現状なのかな、とも思います。自動車部品のその車種のその部品が取れるかどうかは時代の流れにもよるため、なかなか狙って取りにくいものでもあるし、どうしても下請け体質から抜けられなくなるというのもあります。

今までは自動車メーカーのピラミッド構造の中で下請けとして安穏として生きてきましたが、部品点数が少なくなるところに、今まで自動車部品を手掛けていなかったメーカーが新規参入してきているので、その中で生き残りをかけていくのに自動車部品メーカーとして生き残っていくのか、自動車以外の部品のこともやっていくのか選択しなければならない時期が来ています。

当社は多くの自動車以外のメーカー向けの取引や、自動車以外(例えば電子関係の部品)の営業も新たに展開することで、リスク分散を図っています。

このようにリスク分散のために顧客や業界の多様性を求めると、その多様性に対応しなければならず、色々なところに負担がかかってくることになります。その負担を軽減させていくために、多様性は求めるけれど方向性はブレずに決めていかなければいけないと思っています。

自動車部品製造業界の競争激化と、当社の強み

今まで自動車部品の製造に新規参入するメーカーと、自動車業界の下でやっていた企業との、納期やスピード感、品質やコスト的な差はあると思います。

当社は、8年前の販売当初から、量産モデル初の電気自動車の電気駆動部分に携わっており、今ではハイブリット車に関するものが売上全体の約5割になっています。その実績を買われ、ハイブリット車や電気自動車の電気部品の引き合いがきています。

今後、自動車も電気自動車やハイブリット車に移行してくるでしょう。
そうなってくると、今までのガソリン駆動系(ミッション)の部品が一気に減って、自動車の部品は減り、激しい競争になってくるでしょう。

当社の前身である平松精工(有)を創業した私の父は、大阪の流れを汲む弱電(家電)関係のプレス金属屋で修行をし、プレス加工屋として創業しました。そのため自動車部品に加え、電気部品関係の金型製作を得意としています。

そういった実績もあり、自動車部品だけではなく、その他様々な業界の電子部品や給湯関係の部品、物流機器などを新たに開拓しています。

会社を支えてくれる、社員の成長

会社の成長は、社員がどれだけ成長しているかにかかっています。1986年の創業から多種多様な業者さんと付き合っていく中で、納品の仕方や納品形態、製品仕様を変化していくことで、高品質、短納期、コスト面といった点で、お客様のニーズに応じる体制を培ってきました。

今まではどれだけ効率的に安く良いものを作るかに注力していましたが、さらに発展させてスタッフ層の充実や、現場管理の充実を図っていかなければならないと感じています。会社で淡々と働くのではなく、頼られる人作りを目指したいとは考えていますが、なかなか難しいです。

だからこそ、そこを目指して挑戦していかなければいけないでしょうね。だから入ってこられる人に対しても、そういうつもりで入ってきて下さい、育てます、一緒に育ちましょう。転換期にある中で、あなたも育って賀陽技研も変わっていきましょう。といった気持ちでいます。

最後に

日本の製造業は、今後、ガソリン車がなくなってくることによって、自動車業界だけではなく日本全体の製造業が変わってくると思っています。

電装関係、電気部品関係は海外の製造委託が中心で、私たちの仕事が減ってきていました。それがまたここで追い風になってきているので、そこはチャンスだと思っています。
また、多様化というところで他所の業種に出て行っても、自動車部品をやっているという繋がりが出てきたりもするので、賀陽技研はこれからますます面白くなっていくかと思います。

 

※上記は、平成30年2月14日に作成した内容です。